刀と椿が奏でるおおむた〜歴史と技を五感で楽しむ〜

大牟田の歴史と文化を
「刀と椿」に映して。

徳川家康の遺愛刀「ソハヤノツルキ」(重要文化財)、天下五剣の一振「大典太光世」(国宝)。これらの名刀を生み出した平安時代の刀工、三池派初代・三池典太光世に始まり、今も続く大牟田の刀鍛冶の歴史。かつて刀を携えた武士たちに、落ちる姿が潔いと愛された花・椿が大牟田の市花〈ヤブツバキ〉であることもまた、この地の縁なのかもしれません。刀と椿。ふたつの物語が織りなす、大牟田のディープな世界をご堪能ください。

 

 

 

刀工集団 四郎国光

祖は江戸期柳河御番鍛冶であった信濃守武藤久廣。その血を引き継ぐのが小宮家(四郎國光)です。初代四郎國光の刀は、昭和十四年、刀の切れ味や美しさを競う「全国試し切り大会」が開催された折、名工「虎徹」などを押さえ優勝し「切れ味日本一」の称号を手にしました。以来、その名は全国に広がり、展示会においては最も優れた刀の三振りの一つに選ばれ、天皇陛下への献上刀として収められました。  現在では、新作刀展覧会で各刀匠が「優秀賞」「努力賞」など入賞を果たし、國天においては、初出品で「新人賞」と「努力賞」を獲得する快挙を成し遂げた他、平成三十一年(令和元年)現代刀職展 作刀の部で「寒山賞」を受賞するなど、高い評価を受けています。  令和二年十一月十九日に前当主である四郎國治が他界されました。前当主の想いを引き継ぎ、國忠、安光、國光、國天、光敏が世界に誇れる作刀の伝統技術を今尚継承し続けています。

美術刀展示

◇期間 令和3年3月2日(火)〜令和3年3月28日(日)

◇会場 三池カルタ・歴史資料館(福岡県大牟田市宝坂町2丁目2−3)

◇展示刀剣 3振

展示刀剣のご紹介

刀 銘「三池住安光作/平成三十年一月吉日」

刃長:73.0cm(2尺4寸0分2厘)

反り: 2.0cm(6分6厘)

 鎬造、庵棟、やや長寸、身幅広く重ね厚い、持ち重みのする豪壮な刀である。反り浅く、元先の幅差少なく、中切先大きく伸びて、南北朝期の大太刀の磨り上げ体配をなし、慶長新刀、新々刀に通ずる姿を呈する。鍛えは小板目に杢が交じり、地景よく入り、力強く、味わい深い地鉄を構成している。刃文は片落ち風に頭を揃えた互目乱れ。一見単調な刃文と思わせるが、金筋、砂流しの働きが随所に現れ、見どころに富む。帽子は表裏とも乱れ込み、表は先小丸、強く掃き掛け、裏は先尖って掃き掛け、表裏ともにやや深く返る。茎は生ぶ、鑢目筋違い、先刃上がり栗尻、目釘穴1個、目釘穴下棟寄りに銘を切る。

 

太刀 銘「三池住四郎國光作/平成三十年一月吉日」

刃長:76.0cm(2尺5寸0分8厘)

反り: 2.6cm(8分6厘)

 鎬造、庵棟、長寸で身幅の広い太刀である。反り高く、元先の幅差幾分付き、中切先伸びごころながら猪首風を呈する。地鉄は小板目よく約み、地景入り、鉄色明るく、よく冴えて強い。刃文は備前伝の丁子を主体とし、丁子の房は大きめに、3つ、4つ、5つと連ねて、リズムよく焼いている。帽子は、表裏ともに乱れ込み、表は先小丸に返るもので、裏は先大きく丸く返り、沸崩れ状につぶらな沸を散らして、覇気ある様相を呈する。彫物は表裏に棒樋を掻き、茎で掻き流す。茎は生ぶ、鑢目筋違い、先刃上がり栗尻、目釘穴1個。目釘穴下、やや棟寄りに銘を切る。

 公益財団法人日本美術刀剣保存協会平成30年現代刀職展(作刀の部)薫山賞(特別賞第1席)受賞作品

 

太刀 銘「三池住國天作之/令和二年一月吉日」

刃長:70.7cm(2尺3寸3分3厘)

反り: 2.1cm(6分9厘)

 鎬造、庵棟、腰反り高く、長さ頃合の太刀である。身幅広目で、元先に幅差を付け、切先は小さめに結ぶ。重ねを抑えて手持ちよく、バランスのとれた体配を呈する。地鉄は小板目に鍛え、地景入り、明るい。刃文は互目、丁子を絶妙に配合し、尖りごころあり、飛び焼きあり、高低を交えて、多様な景色を織り成している。いわば破調の美を顕現しており、あたかも相伝上位の古作を見る趣がある。帽子は表裏とも乱れ込んで先小丸に返る。彫物は表裏に棒樋を掻き、鎺上で丸留め。茎は生ぶ、鑢目筋違い、先刃上がり栗尻、目釘穴1個、目釘穴の下中央に銘を切る。

※カルタ館休館日は展示公開はいたしません。

その他の情報については、筑後國舞刀會Twitter(@butoukai_omuta)もご覧ください。

<注意事項>

・新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、来場時のマスクの着用にご協力ください。

・館内では、隣の方との距離をあけての鑑賞をお願いします。

・体調のすぐれない方、発熱などの症状のある方のご来館はお控えください。